緊急事態宣言や東京アラートがやっと解除され、日本国内では新型コロナウイルス感染が落ち着いてきているように思えますが、世界に目を向けるとまだまだ感染者数が拡大しています。
医療従事者や通勤者の安全を守るため、多くの国や地域でマスクや防護服の支援を行っていますが、南アフリカでは、感染対策のみならず環境への負荷にも配慮した、あるクリエイティブな取り組みが行われています。
役目を終えた広告バナー(横断幕)のアップサイクルコート
ケープタウンを拠点とするデザインスタジオ「The Sewing Café」は、街中で掲載期間が終了した広告用の横断幕の生地を再活用し、防護・感染予防を兼ねたコートを、医療従事者や、公共交通期間を利用して通勤・通学せざるを得ない人々に販売しています。このコートは、衛生管理がしやすいだけでなく、もともと廃棄予定であった丈夫な素材を活用しているため、手頃な価格で入手することができます。
このCovidコート開発者である、The Sewing Café’s の、Athene Knemeyerは言います。
"多くの人が手に取りやすいよう、手頃な価格のものにしたいと考え、掲載済みで廃棄予定の広告バナー(横断幕)に着目しました。私たちが作ったサンプルの商品写真を見た友人が、すぐに一緒に協力をしてくれ、2020年6月3日にこのCovid(コロナ)コートが誕生しました!"
"ドキュメンタリー映画『The True Cost』を見て以来、私はFast Fashion業界をより批判的な目で見るようになりました。新型コロナウイルスの影響によってロックダウンが起こる直前、あるクライアントから、彼の会社用にマスクを作ってほしいと頼まれました。すぐに数百枚作ったのですが、注文が止まらないので、ロックダウン中も仕事を続けました。最終的には、1万枚近くのマスクを作ったと思います。この経験から、社会に直接的に価値あるもの、課題解決に貢献できるものとファッションを絡めることに意義を感じ始めるようになりました。"
南アフリカから学ぶ、再活用の精神
The Sewing Caféは、南アフリカの国際的なブランドの公式代理店であるロリアンヌ社を通じて、Covidコートの素材を調達し始めました。ロリアンヌ社は、布製のバナーを広告キャンペーンに使用している企業と連絡を取り合っています。 日本からの生地の寄付はコスト的にも障壁がありますが、役目が終わった素材や原材料でも社会課題の解決に向けて活用できるということが、ここ南アフリカの事例から学ぶことができます。
参照:twyg. | The Covid coat offers upcycled protection
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